失われた20年

宮崎駿監督が引退するとのことで、マスメディアが騒いでいたこともあり、一体どんなもんかと思い、その引退を惜しんでかテレビで紅の豚という作品がテレビで放映されていたのでTS抜いて観たのであるが、何と言うか、ガリレオ福山雅治宜しく、

サッパリ分からない。ハハハハハ!!

というのが正直な感想で・・・
何を伝えたいのか、何がどう面白いのかサッパリ分からなかった。
時代設定としては、第二次大戦渦中なのか知らないが、途中で主人公の豚が17の時に1917年と言っていたので、それを第一次大戦だとすると、あの年齢というか豚齢から考えて、やはり第二次大戦かと。賞金稼ぎと言っていたので、あの豚は傭兵なのだろうか。でも木製の飛行機って何だ?! まぁそんなことはともかくとして、

一匹狼な飛行機に乗った豚が、敵というか悪役をやっつけて、その様はまるでゴルゴ13を感じさせるのだが、2人の女に惚れられて、喧嘩を売ってきたドナルド・レーガンを思わせ振りな別の飛行気乗りと空中戦ごっこをして、最終的には殴り合いの喧嘩をして終わるという、

だから、何?

サッパリ分からない。フハハハハハハ!!

「イイ!!」って言うから観てみたけど、

サッパリ分からない。ハハハハハ!!

周囲が人間だったにも関わらず主人公はどうして豚だったのか。
それは人を殺す戦闘機を使って、敵を粉砕していい気になっている様が醜悪なる豚を想像させるから? でも一般的に豚とは大資本家を揶揄したりする言葉だったりするし、じゃあ出演者全員豚でもいいと思うしなぁ・・・

飛行機を作っていたのは、全員女性だった。
これは第二次大戦下でもそうだったし、日本でも女子挺身隊などがあったので特に現実離れしている設定ではないのだが、男の勝手な欲望の為に犠牲になって働く女の悲哀を描きたかったかったのだろうか。駿風な女工哀史みたいなものか。

2人の女はどうしてあの豚に惚れたのか。
行動が何となく勧善懲悪を感じさせるからか。でも女は結局ドナルド・レーガンのような男に走るのである。それは女の肉体特有の性質から来る保守の本能がそうさせるのだが、あ、だからあの豚のような生き方に一種の憧れのようなものを抱くのか。人間の能力には限界があるので勧善懲悪は女からすれば結局イイ人で終わって、最終的には何もせずに、というかできずに、ドナルド・レーガンのような男に走って豚からすれば寝取られる。現にあの豚は何も出来なかったではないか。ま、仮に俺があの豚でもあのように行動するだろうけど。んで、「アタシが」「アタシが!」って言って、複数の女に集ストされる。豚、気を付けろw ま、俺だったら一途で純粋無垢な17歳の設計士の女と一緒になる道を選ぶがね。あー、でも不幸にするかも知らんから身を引いたのかな。カッコイイんだけど、生き方というか人生設計が不細工。だから豚なのかw

最後、イタリア軍が迫ってきていて、何やら戦争状態になるのを期待していたんだが、何事も無く終了。あそこでイタリア軍を敵とばかりに、ドナルド・レーガンと豚が手を組んで、イタリア軍を粉砕、しかし、レーガンか豚が戦死する。いや、両者死んでも良かったかも知らん。そういうのを途中から期待して観ていたんだけど、結局殴り合いで終了とか、勝新太郎田宮二郎の悪名みたいな終了の仕方。チャン・チャン♪ってな感じでしたね。

つーか、感動するって聞いたんだけど、何も感動できなかった。
この映画が放映されたのが1992年とのことで、あの頃は集ストは無いに等しかった。あの頃に戻れるものであれば、戻りたい。今すぐに。
この映画をあの頃に観ていたら、また全く違った視点で見れていて、素直に感動できたに違いない。単純に私が年を取ってしまったというのもあるが、人間、特に女の醜悪さを嫌と言うほど見せ付けられたこの20年は、普通の人が普通に感動する物語さえ感動できないものにしてしまったのか。

ま、私がバカなのが悪かったんだがね。