変態集ストを育む国柄 (2)

現在我が国に於いて、巷に溢れるAVやヌード写真集に対して何処の機関が生殖器に対するモザイク規制を掛けているのかは不明であるが、何処の機関が執行しているにせよ、国の方針によって、それが為されているのは明らかである。

生身の人間が公然と生殖器を露出する行為は勿論、映像作品や写真集からイラストに至るまで、人間の生殖器を公にすることを国家が規制しているのである。

確かに人間の生殖器は男女共々ある意味グロテスクな形をしている。特に女性器にあっては内蔵が半分飛び出しているようなものであるから、基本的には見た目が奇怪であるし、男女共排泄物を放出する部分でもあれば、子種を宿す或いは露出する部分でもあり、そうでありながら、人間の性的興奮を刺激する根幹的部分であり、更にその場所は人間の身体の感覚が一番鋭敏で、快感を得る部分な為、だからこそ男女間のトラブルは、まず性交渉があったかどうかといったことを極度に詮索したりするのである。

国家が生殖器の表現を規制する、この意味するところは、単にいたずらに性的興奮を助長させないといった目的もあれば、見た目がグロで尿や経血の排泄場所で「汚いから隠す」といった意味合いや、その真逆に、生殖器を云わば神聖なものと捉えている意味合いとがあり、それぞれ相反する性質がまぜこぜになっているものの、先のいたずらに性的興奮を助長させない主目的でモザイクという規制を掛けたにも関わらず、返ってこの「隠す」「隠蔽する」という行為そのものが、非常にいびつな性格を持った日本人そのものを規定する、変態文化を形成してしまっているのである。

例えば、このような画像で規制を掛けるとするならば、今のようないびつな性描写やそれに伴った異常とも目されるような性文化を形成することは無かっただろう。
要するに、モザイクこそが日本の文化であり、日本人を象徴しているものなのだ。

国全体にモザイクが掛かっている、日本人個人個人にモザイクが掛かっている、先の地震の時にも書いたことだが、あの大災害の混乱時に於いても、店の前に整然秩序だった列を作ったり、従って略奪も無く、人は平和な心を持ち、皆で分かち合い、まさに「和を以って尊し」とする如何にも日本人らしい素晴らしい文化だなどとの外国の報道があったが、実はその裏で、年金の不正受給という隠れたる略奪もあれば、公共水道水の販売を企む者も現れたり、特に国民が選んだ議員や政府は国民に正確な情報を流さず、しかも、その指摘をしたのが外国機関或いは外国メディアだったのが象徴的だったのだ。

早い話が、グロいものを隠蔽したモザイク掛かった情報を国民に垂れ流した日本政府に対し、モザイクを掛けない情報を日本国民に知らしめたのが、ポルノ画像類にモザイクを施さない外国メディアだったのが、何とも皮肉で象徴的な話なのである。

つづく