代償

もういつだったかも忘れたが、小柳ルミ子がかなり年下の男である大澄賢也と結婚して、これもいつだったか忘れたが、敢え無く離婚となってしまった。原因は大澄賢也の浮気だったと記憶しているが、この時、小柳ルミ子が慰謝料として大澄賢也に提示した金額が推定1億円だった。

私はテレビは全く見ないので、というかウチにはテレビが無いので大澄賢也の現在のテレビでの露出度は分からないのであるが、未だに払い続けているであろう、この1億円という金額は彼にとってどれ程の重さなのだろうか。

しかし、といっては何だが、小柳ルミ子は確かに大女優であり、目を見張る色気のある女ではあるが、大変失礼ながらも年齢も相当にトウが立ち、大澄賢也という若いツバメを捕まえて、彼女自身も相当に今宵の一時を過ごした筈であるし、いい思いもすればいい夢も見た年齢も重ねた女が、若い男に再起不能とも思える代償を課すとは、残酷な仕打ちだなぁなどと思ったりもする。

が、大澄賢也には大変失礼だが、そもそも彼のような云わば何処にでも居そうな一ダンサーは、小柳ルミ子という大看板があってこそ、そして彼女と結婚したからこそ有名になれたのであり、彼の存在は間違いなく彼女ありきのものだったのである。その小柳ルミ子あっての大澄賢也という彼自身の存在性について、恐らくは彼自身も把握していただろうし、勿論彼女自身も把握していた。「さ、これから私抜きで一人でやって行きなさい。それで1億円持って来れるものなら持ってきな。それが自ら撒いた種を刈り取る自己責任であり、代償というものよ」とでも、言いたげである。

自分の撒いた種は自分で刈り取る、自分が行った行為・言動等は必ず何らかの形で跳ね返って来るのは、この世の規定する因果律であるが、彼女はその因果律を目に見える「お金」による代償という形で分かり易く示したのである。しかし1億は余りにも高過ぎと言われていたし、私もそう思っていたのであるが、彼女自身が決めた額であり、彼女自身の大きさがそれ程のものだということを示したということでもある。「じゃあ私も」とばかりに、浮気した夫又は妻に対して1億円の慰謝料の請求をして良いかというと、それは好きなだけの額を相手に提示すれば良いとは思うが、果たしてそれが、自分の歩んできた人生とその受けた仕打ちに対して等と照らし合わせて、本当に妥当な金額なのかということを真剣に考えなければならない。何故ならば、高い金額を提示すればするほど、自分の代償も大きくなるからである。その提示した金額が妥当なのか、というよりも、それに耐え得ることができるのか。といったところである。そういう意味で小柳ルミ子という人は非常に度胸の座った人だなぁなどと感心したりもする。

ところで、私は集団ストーカー被害者として、加害者に対する代償をよく考えるのであるが、勿論私の人生を破壊された少なくともこの20年、その上にこの異常なまでの精神的苦痛を考えると、その代償は金に換算することなどできる筈も無いなどと思いながらも、やはり「億」は下らないなと。考える。

指し当たって9億円。

これが慰謝料。安い高いは別にして、自分のやった行為に関して、しっかり考えて償って頂きたいという云わば愛の気持ちから、勿論加害者の行為を尊重しつつ、いや尊重しているからこそ提示するものである。加害者等自分達のやったことはこれだけ「凄い」ことだったんだよ。と。

どの世界に行こうが、しかし少なくともこの世界では「お金」で償うことができるのだ。そういう意味では加害者はラッキーだと俺は思うんだけどねw